はじめに
あなたは静岡のことが好きですか。静岡には富士山、南アルプス、駿河湾に囲まれた自然環境、東海道の宿場町として栄えた歴史文化、政令指定都市としてのまちの発展、首都圏とのアクセスの良いインフラ環境、そして何より、長閑な環境に住まう穏やかな人びとがもたらす生活環境といった、多くの要素が連なった、世界に誇れる唯一無二の魅力があります。私はこの魅力ある静岡のことが好きです。世界の情勢は新型コロナウイルスによるパンデミックやウクライナ紛争により一変しました。コロナ禍による世界的な低迷からは日常を取り戻し始めていますが、静岡市においては、少子高齢化や若者の人口流出を起因とした人口減少による人口オーナスに直面し、まち全体に停滞感が漂い、その姿が当たり前になってしまいました。このままでは、人びとがさらに離れ、衰退の一途を辿ってしまうのではないかと想像してしまうこともあります。目の前のことだけを考え、現状維持をするのでは、この停滞感を打破することはできません。このまちの発展のためには、世界を見据え、未来を想い、人びとが行動することが重要であります。そして、その原動力である、まちへの想いをもつことが、私たちのまち静岡の未来を明るく照らし、世界へ羽ばたく一歩となります。
私たち青年会議所が時代の移り変わる中で様々な困難を乗り越え、まちづくり運動を展開してきた歴史には、まちの発展を想う気持ちがありました。この想いをもち続け、世界がより身近になったいまだからこそ、国際化はまちの発展にとって大きなチャンスであります。私たちはそのきっかけを創出することでこのまちの国際化を加速させ、世界に躍進する静岡の未来を切り開き、人びとの明るい未来への想いが溢れるまちを目指してまいります。
私たちのまち静岡の発展を想う人びとが、世界で躍進するまちの未来を描き、自ら行動を起こし挑戦することで、静岡を世界に誇れるまちにすることができます。挑戦する人びとは、それぞれの価値観で我が道をいくのではなく、多様な価値観を相互に理解し、このまちの未来のために同じ方向を目指し、パートナーシップを組むことで、1+1が3にも4にもなる相乗効果を生み、まちを飛躍的に発展させることができます。このまちの国際の魅力が高まることで、人びとのまちへの想いもさらに高まります。発展を想い挑戦する人が増えれば、このまちを世界へと躍進させることができます。それこそが人びとの想い溢れるSHIZUOKAの実現に向けた力となるのです。
世界とつながり躍進するまちSHIZUOKAの創造
静岡青年会議所は「先進100万人都市 輝く静岡」の創造を基本構想に掲げ、2024年までの運動指針としてロードマップを策定し、交流人口、関係人口の拡大と、地域のために活躍する人財の育成と拡大を目的に、長い年月をかけ、国際アカデミー開催を目指してまいりました。世界80か国以上の各国青年会議所のリーダーと、約100名の国内各地青年会議所のリーダーが一堂に会する国際アカデミーが、本年、静岡市で開催されます。本事業は私たちのまちを躍進させる大きなきっかけとなります。
コロナ禍において停滞していた人々の動きは、徐々に日常を取り戻しはじめております。その間に加速したIT技術の活用は、人々の交流を革新的に進歩させました。世界は身近なものとなり、このまちにはつながりを活かすチャンスが広がっています。国際アカデミーという大きな国際の機会を得た私たちは、その効果を最大限に活用することで地域を発展させ、人財の育成と拡大を促し、このまちを躍進させることができます。そのためには、このまちで開催される国際アカデミーが最大の成果を挙げることが重要です。日本青年会議所や国際青年会議所と連携した全プログラムの構成や、開催地としてのプログラムの策定をし、このまちが発展する事業計画を立てられるよう、静岡青年会議所では担当委員会を設立し、管理と支援をしてまいります。また、開催地プログラムが最大の成果を挙げられるよう実行委員会を開催します。リアルな国際交流の機会をきっかけに継続したつながりを創出し、まちづくりに活かすことで、このまちは躍進します。交流人口、関係人口の拡大に向け、その目的を持った活動を能動的に行える人財を生み出し、躍進するまちへと変えていく最高の機会となるよう導いてまいります。
未来を照らしまちへの想いを高める機会の創出
まちの未来は、このまちに住まう人びとが創ることができます。まちは新たな技術や国際の機会で大きく変貌する可能性を秘めており、この可能性を追求した先に、このまちの明るい未来が待っています。しかしながら、このまちは人口減少の一途を辿っています。その要因の一つとして、若者にとって魅力的な就業の機会が不足していることが挙げられます。首都圏へ進学した若者が魅力的な仕事に就くためにこのまちに戻らず、他の地域へ定住をしてしまっているのです。私たちは、新たな技術や国際の機会にまちの個性や地域資源を活かすことで、若者が魅力と感じる雇用を生み出し、まちの未来を明るく照らすことが必要です。私たちがまちの未来を思い描き、先駆的に体現することで、このまちに関わる人びととまちのビジョンを共有し、明るい未来に向けて、行動に変化をもたらすことができます。青年会議所の多様な人財が活躍し、関わる人びととパートナーシップを組み、このまちの新たな一歩へのきっかけを創ることで、可能性を広げるまちづくりを展開してまいります。
このまちの未来を明るく照らすためには、これから発展し主役になっていく産業や技術を活かしたまちづくりをしていくことが重要です。今は想像できないことでも、未来では当たり前の光景になる可能性があります。これから主となる産業や技術の活用に挑戦し、停滞していた人びとの心と行動を前向きにする変化をもたらすことで、先駆的な発展につなげることができます。そこに歴史や文化から築かれた街並みを活かし、独創的な未来を示すことで、魅力溢れるまちになります。人々が行き交う場所で新たな未来を表現することが出来れば、人びとは明るい未来を感じ、まちを躍進させることができます。新たな姿を創造し、希望をもてるまちの未来を描いてまいります。
静岡には世界を魅了する多くの資源があります。日本ならではの資源、静岡ならではの資源、これらの地域資源を最大限に活用できれば、多くの人々を魅了することができます。そのためには魅力となる資源を私たち自身が再確認し、新たな活用への道筋を示す必要があります。世界に誇れる魅力的な資源はこのまちを発展させる大きな可能性を秘めています。青年会議所の国際の機会をそのきっかけとし、人びとが国際の機会を活かし、世界の人びととさらにつながる機会とすることができれば、可能性をさらに大きく広げ、飛躍的な発展を遂げることができます。潜在的な魅力を世界と結び付け、発展へとつなげることで、未来を照らしてまいります。
生きる力を身に付け未来に希望を抱く次世代の育成
20年後、今ある職業の49%がなくなると予想され、将来は不透明なものとなっています。世の中の変化は発展と表裏一体でいつの時代も起こり、ITが浸透し国際化が加速する現代において、この変化はさらに急速に進んでいきます。だからこそ、子どものころから変化を前向きに捉え、本質的な生きる力を身に付ける必要があります。そのためには、新たな時代に目を向け、いつの時代においても必要とされる人間性を磨くために、多様性や国際の機会といった実体験を通して、挑戦する心や人と協力することを学ばなければなりません。高い壁に向かって、一人ひとりがお互いの個性を尊重し、ひとつの物事に対して協力して挑戦することが重要です。このまちの未来を担う子どもたちが、どのような状況でも逞しく進むことができれば、未来は明るいものとなります。そして、私たち大人が子どもたちに明るい未来を照らし続けられるよう、育成を通して子どもたちの未来を想う人びとを増やし、その想いをまちづくりに反映して、持続的なものとしてまいります。子どもたちの将来にとって大きな動機付けとなる原体験を与え、未来に希望を抱ける次世代の育成を実現してまいります。
変化が多い時代だからこそ、子どもたちが自ら行動する力を付けることは重要です。ネット社会において疑似体験をすることは容易になりましたが、実体験を通し学ぶことで、探求心が芽生え、自主的な行動につながります。普段と異なる環境に身を置き、子どもたち同士の協力のもと、同じ目的を達成する経験は、自ら行動する力を養う機会となります。このまちは日本一高い富士山と日本一深い駿河湾に囲まれた唯一無二の豊かな自然環境があります。子どもたちは、この中で新たな出会いや発見をすることで、多くの学びや成長を得ることができます。私たち大人はその姿から学びを得て、多くの人びとと次世代への責任と自覚を共有し、子どもたちの未来を牽引してまいります。子どもたちが自らの可能性に気づき、変化を前向きに捉え、未来に向かって挑戦する力を養えるよう取り組んでまいります。
国際の機会がより身近になる社会において、子どもたちが希望をもてるようになるためには、その経験を重ね、将来に活かしていく必要があります。小さなころから国際の機会を得ることが、これから世界へ羽ばたく子どもにとって代えがたい経験になります。青年会議所が開催する国際の機会は、多様な価値観を受け入れる心を育てるための絶好の機会となります。そのために大切なことは、己を知り、異なる相手を認めることです。スポーツや文化から日本や地域のもつ特有の価値観を再認識するとともに、国際の機会から他文化を学び尊重することで、相互理解の礎を築きます。この礎は子どもたちの個性を磨き、多様性を受け入れる心を育みます。私たち大人も子どもたちと共に心を育み、これからの世界を担う子どもたちのために、その土壌を広げてまいります。国際的な経験を得ることで人間性を磨き、これからの時代に力強く生きる子どもたちを育成します。
まちの発展を想い自ら行動する人財の拡大と育成
まちづくり運動を展開する私たち青年会議所は、地域の発展を想い、自ら行動する人財が協働することで、理想のまちの姿の実現に寄与してまいりました。その源泉はまちへの想いをもった多様な人財です。その人財同士がつながりをもち、理想の未来を共有し、それぞれの価値観を同じ方向に向かわせることで、力強いまちづくり運動につなげてまいりました。20歳から40歳の青年経済人が集い、毎年新たな世代にバトンをつなぎながらまちづくり運動を展開する青年会議所にとって、その運動を持続的なものとしてくためには、新たな人財の拡大を常に行い、より多くの人財に私たちの想いやまちづくり運動を紡いでいかなければなりません。そのためには、私たち自身が青年会議所の魅力を感じ、発信することで、多くの青年に青年会議所の魅力が伝わることが大切です。このまちの青年と青年会議所の会員とが相互に理解し、共にまちづくり運動を展開し、実践や交流を重ね会員と組織が成長することで、まちの発展につなげてまいります。
近年、静岡青年会議所は、まちづくり運動に共感した人財や、自己成長意欲を持った人財が、つながりを求め入会をしています。私たちはその魅力を再認識し、会員全員で拡大活動を行う必要があります。大切なことは魅力を伝えるだけでなく、青年が求めることを聞き、相互理解をすることで、青年自身が共感や成長意欲を青年会議所の運動や活動に結び付け魅力を感じてもらうことです。私たちもその意義を理解し、共に成長することを目指してまいります。成長のためには実践から得られるものに勝るものはなく、入会後の実践への参加を促し、そこから得られる経験を成長へとつなげてまいります。また、青年会議所にいる人財同士が交流できる橋渡し役としてサポートをすることで、人と人とのつながりを創り、成長の機会につなげてまいります。何より、私たち会員を一番近くで支えてくれる家族にも青年会議所の魅力を伝えるとともに、日頃の感謝を伝えることで、今後の活動のさらなる力に変えていきます。多くの会員が活躍し、一人ひとりが魅力的な人財になることを目指し、拡大活動を展開してまいります。
人と組織の価値を高めまちに還元するブランディング
会員一人ひとりの想いをもったまちづくり運動は、このまちの魅力の向上に寄与しています。まちの魅力をさらに向上させるためにはまちづくり運動を行う会員自身や青年会議所の価値を高めることが重要です。そのためには、会員の想いや実行力だけでなく知識を付ける必要があります。会員の資質を磨くことは、青年会議所の運動の質を向上させることにつながり、このまちやこのまちの人びとに還元することができます。時代の変化が急速に進み、青年会議所もその変化に適応することは非常に重要です。私たちの運動の効果を高めるためには、会員が事業構築やまちづくり運動を通して自己成長につなげるとともに、意識的に時代の先端を学び、個人と組織の価値を向上させ、その人財やまちづくり運動といった価値を内にも外にも伝わるように発信することが重要です。発信することで青年会議所に共感とパートナーシップを生み出し、より飛躍したまちづくり運動につなげることができます。まちの躍進へとつながるブランディング活動を実践してまいります。
世界は技術の進歩による新たな価値観を生み出し、次の世界へ突入しています。国内において、このまちと首都圏を比べてみれば、経済規模や人口に大きな差があります。国としてデジタル田園都市国家構想を進めている時代の中で、このまちも新たな技術や価値観を反映した地域の活性化を見据えていく必要があります。地域から全国、さらには世界へと目線を延ばし、成長をしていく必要があるのです。私たち青年会議所はその先端をいく組織であることで、まちの発展につなげていかなくてはなりません。そのためには新たな価値観がもたらす世界を共有することが重要です。会員一人ひとりがこのまちを牽引する存在になるべく、実践的な学びをし、会員を成長させ、まちを発展させるきっかけを作り出し、会員の価値を向上させてまいります。
共感を生む広報を目指すためには、相手のことを考え、このまちにとって有益な情報を伝わりやすく発信することが重要です。広報は青年会議所の会員にとって、私たちの運動を再認識し、誇りをもつことができる機会となり、運動や活動に積極的に参画することにつながります。また、このまちの人びとに青年会議所の発信が伝わることで共感を生み、社会的な意義を高め、共に活動をしたい人財を私たちとつなげてくれます。青年会議所はまちづくり運動を飛躍的なものとするためにパートナーシップを大切にしてきました。まちを想う人びととのパートナーシップを広く深くすることができれば、まちづくり運動の可能性はさらに大きくなります。青年会議所の一年間の運動方針を発信し、まちづくりと人財の魅力をこのまちに広め、人と人とのつながりを強めることで、このまちの発展に寄与してまいります。
多様性を活かし強いつながりで発展する組織
このまちの持続性の高い発展に向け、人財同士が協働し、まちの質を向上させるためには、多様な価値観を反映し、相互理解を基調とした誰もが活躍できる組織文化の醸成が不可欠です。会員が明るい未来を描き、挑戦することがこのまちの躍進につながります。近年、会員構成が大きく変化し、様々な会員が活躍しています。多様な個性が集まり、地域を想い自ら行動する人財同士が相互理解のもと、強いつながりで結ばれることで組織は強固なものとなります。多様な人財が、まちを想い挑戦することや人と人とのつながりの意義を理解し、成長の機会を得ることで、組織の発展につなげてまいります。
多様な価値観を組織の運動へと反映させるためには、会員同士が相互理解をし、目的に向かって運動に取り組んでいくことが重要です。青年会議所の会員構成は時代と共に変化しています。その人財一人ひとりが誰でも挑戦できるよう、個人として組織として、意識醸成をしていかなくてはなりません。挑戦できる組織は魅力を高めると同時に、より大きな成果を得ることができます。そのためには、挑戦できる人だけが機会を得るのではなく、組織として誰もが挑戦できる環境を整え、会員一人ひとりが自ら挑戦する行動を起こす取り組みが必要です。そして、その価値観や想いを次世代へと継承していくことで、このまちの未来を紡ぎ、組織を持続的なものとしてまいります。多様な人財の誰もがリーダーとして活躍することができ、多くの価値観が融合することで組織を発展させ、まちの躍進へとつなげてまいります。
青年会議所は人財同士の交流や貴重な体験ができる多くの機会があります。その一つが出向制度です。静岡、東海、日本、世界へと広がるネットワークは多くの価値観に触れる貴重な機会となります。まちを飛躍させるためには出向の機会を活かさなくてはなりません。本年度、私たちは組織として出向を通した大きな挑戦をします。出向は組織を構成する会員一人ひとりが新たなつながりと経験を得る絶好の機会となります。そのつながりと経験を新たな価値へとつなげ組織を向上させます。また、出向する会員一人ひとりを組織として応援する環境を整えることで、つながりや経験を多く得られるよう支援してまいります。私たちが挑戦することで、静岡には多くの関係者が訪れる機会があります。おもてなしの心をもってお迎えすることで、静岡の魅力を感じていただき、組織の価値を高めてまいります。出向支援と渉外活動は青年会議所が大切にしてきた、人を想う気持ちを身近で学ぶことが出来る最大の機会です。会員が青年会議所の魅力を確信し、自身や仲間の活動、運動に昇華させ、組織の質を向上させることで、さらなるまちの発展に活かしてまいります。
公益性の高い新たな時代に則した持続可能な組織基盤
青年会議所は定款に基づき、公益性の高い組織運営のもと、このまちの発展に寄与してまいりました。まちを躍進させるためには、受け継がれてきた厳正な組織運営を理解し、その中で、効果を最大限に生み出す必要があります。近年、新たな会員が増加し、青年会議所たる組織運営への理解を高める活動を推進してまいりました。定款に則った組織運営は、私たちが運動や活動を遂行する中での判断基準となり、青年会議所が常にまちの付託に応えるための公益性の軸となっています。厳格な組織運営は私たちの考え方に統一性をもたらし、まちづくり運動に反映され、確実にこのまちに還元されています。多様な人財が溢れる組織となった今、一人ひとりが活躍する組織となるためには、築かれてきた伝統を理解することが大切であり、その上で、時代に則した形へと柔軟に対応していくことが求められています。ジェンダーレスやダイバーシティ、インクルージョンに代表される世の中の新たな動きから、これからの青年会議所の在り方を検討し、築かれてきた組織の仕組みと時代背景を組み合わせ、持続可能な組織基盤を創出してまいります。
会議体である青年会議所の事業は、いくつもの会議を重ねて創り上げられ、実施されています。会議の運営が事業の質に大きく関わるため、会議を円滑に行うことは、まちづくり運動をより効果的なものとすることにつながります。つまり、事業構築のプロセスは私たちの事業の要と言え、限られた時間の中で効率的な会議運営を行い、その効果を最大にする必要があります。多様な人財が会議に参画することで、事業を多角的に協議することができ、より深い内容を構築することができます。事業構築や実践を経て多くの人財が育つことは、このまちの発展につながります。多くの人財が参画しやすい、時代に則した運営方法を、SDGsやESGの観点から検討し、組織の活性化につなげてまいります。築かれてきた厳格な体制を受け継ぎ、時代に則した運営を行うことで、多様な人財が活躍できる組織基盤を整え、持続的な組織を創ってまいります。
厳正かつ本質的な計画と運営で地域益を実現する財政基盤
私たちが持続可能な組織となり、このまちの未来のための運動を起こすには、引き継がれてきた厳正なコンプライアンスのチェック体制を継続することで組織を守り、限りある財源を有益に振り分ける適切な財政計画を立てることが重要です。事業の規模や内容に直結するものであるからこそ、このまちや人財への投資を行う観点を持ち、事業への財源を拠出することで、このまちを躍進させる組織の基盤となります。現在の社会環境においては様々な財政の形を検討することが可能であり、社会へのインパクトを与える青年会議所運動を展開するために、財政計画の新たな形を検討し、このまちや組織の発展につなげてまいります。また、規律ある組織として、地域との連携を図り、まちのためと組織のための双方の観点から持続的かつ積極的な財政運営を構築してまいります。
多くの事業が行われる青年会議所のまちづくり運動は、財務運営の基盤が整っていることで、いずれの事業も透明性が高く、費用対効果を追求した状態で実施することができています。公明正大な組織を守り、持続的なものとするためには、受け継がれてきたコンプライアンスのチェックや健全な財務運営を引き継ぐことが重要です。その上で、時代の変化に則した新たな財務運営を研究し、その運営を検討することで、さらなる費用対効果の高い事業構築を目指すことができます。財務運営は組織の基盤として重要な役割をもっています。一つひとつの事業の透明性や整合性を突き詰めたコンプライアンス、財務運営を行い、まちの未来のための運動の効果を最大限に引き上げ、組織を持続的なものとしてまいります。また、全国の青年会議所と連携を取ることで、組織が得られる効果を最大のものとし、組織作りやまちづくり運動に昇華してまいります。
むすびに
私は、子どもの頃、静岡から早く出たいと思っていました。それは静岡に魅力を感じていないのではなく、単純に都会へのあこがれがあったのだと思います。進学を機に首都圏へ行き、10年程、生活をしました。良い就職先と巡り合い、良い人間関係を築くこともでき、その生活には満足しておりました。しかし、頭の片隅には常に地元静岡のことがありました。今考えれば、都会へのあこがれは、発展しているであろう知らない世界に一度は身を置きたい、親元を離れて自力をつけたいという子どもの頃に抱いた願望でした。そんな中、ときどき帰省する元気のないまちの姿を見て、何もできないもどかしさと、いつかは地元に戻り、まちのために何かできないだろうかという想いと、それでも私一人が戻ったところで何の取り柄もない、何ができるわけでもない、何もできないという堂々巡りをしていたような気がします。結局、父の会社を継ぐべく静岡に戻り、改めてこのまちの人や環境、歴史文化、街並み、あらゆることが好きなことに気が付きました。
今は父となり、このまちやこのまちの子どもたちの未来を想う気持ちが強くなりました。「この国を発展途上国にして子どもたちに渡すわけにはいかない」この言葉が私の心に刺さりました。私たちが一人でできることは小さいかもしれません。時には無力感を感じることもあるかもしれません。しかし、一人がまちを想い世界へ躍進するために挑戦することで、このまちは活発になり、今より少しだけでも明るい未来を創ることができるはずです。その想いを、多くの人びとに波及し、世界に向けて共に挑戦することができれば、相乗効果をもたらすだけでなく、その波紋は広がり、持続性の高い発展を続け、さらに明るい未来を子どもたちに渡すことができます。だからこそ、私たち青年会議所は、まちを想い、世界へ躍進する未来へと進み、私たちが未来を明るく照らすことで、人びとの想い溢れるSHIZUOKAを実現してまいります。共に歩んでまいりましょう。