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2024年度一般社団法人静岡青年会議所

基本理念

地域への愛着と誇り
人びとが躍動し 誰もが輝く 魅力溢れるまちSHIZUOKAへ

基本方針

1.組織を紡いできた感謝と新たな目標に向けたブランディング
2.このまちを想う人びとを増やす総合的な人口活力の推進
3.地域社会に貢献できる人財の拡大と人的ネットワークの構築
4.明るい豊かな社会の実現を目指す人財の育成
5.これから先も続く持続可能な組織基盤の創出
6.このまちにインパクトを与える財務基盤の創出

スローガン

共に躍動 誰もが輝く SHIZUOKA

理事長所信 一般社団法人 静岡青年会議所
 第19代理事長 古本 健二

地域への愛着と誇り
人びとが躍動し 誰もが輝く 魅力溢れるまちSHIZUOKAへ

はじめに
 みなさまは、今のこの静岡市のまちをどう思いますか。このまちを活気に溢れた魅力的なまちにするためにはどうすれば良いでしょうか。

 全国的に急速な人口減少、少子高齢化が続く中、静岡市の人口は、2020 年に70 万人を下回り、2030 年には、65 万人を下回ることが予測されております。このままでは、長期的な人口減少は避けられないことが想定され、人口減少、少子高齢化は、経済の収縮やまちの魅力の低下、地域の担い手不足や、コミュニティーの衰退など、様々な問題を引き起こすことが確実視されています。このような問題がある中、約3 年にわたり続いたコロナ禍においては、ICT の発達と普及が加速度的に進み、働き方の変化や、オンラインでの交流や情報発信など、新しい価値観が醸成されただけでなく、他者や社会とのつながりの重要さについて、失ってみて改めて気付かされた貴重な期間でした。ウィズコロナからアフターコロナへとステージが移り変わり、不要不急の外出を避けるといった行動規制、マスクの常時着用などがなくなったことから、人びとの行動が活発となり、直接的なコミュニケーションや、交流が増えてきております。コロナ禍で閉塞感の漂っていたこの静岡市のまちも、国内外からの人びとの往来が増えたことで、まちには人が溢れ、活気が戻ってまいりました。このような状況だからこそ、2024 年度は、この機運を活かして、このまちの交流人口、関係人口を拡大するチャンスとなります。人びとの行動規制がなくなり、世界各国、日本全国各地と行動の選択肢が広がっている中、人びとに、多くの選択肢から、このまちを訪れたい場所として選定していただくことが求められています。

 このまちが多くの人びとから支持され、このまちに訪れたいと思う人びとが増えるためには、まちの人びとが輝くことが最も重要です。輝く人びとが多くいるまちは、輝く人びとの前向きさと積極性により活性化し、活気に溢れます。活気に溢れたまちは、このまちに訪れた人びとにとって、魅力的なまちとして強く認知をされ、魅力的なまちには、そのまちの魅力求めて、人びとが繰り返し訪れる好循環が生まれます。

 このまちで人びとが輝くためには、まちに住む私たちが、まちの魅力を再認識し、地域の魅力を活かすことが必要です。私たちが、まちに愛着と誇りをもつことによって、私たちが住む静岡市は、今以上に輝くまちとなり発展することができます。このまちで人びとが輝き、希望に満ち溢れたまちの姿を示すことによって、この静岡市に住み続けたいと思う人を増やすことができます。そして、このまちに住む若者に、まちへの愛着と誇りを伝えることが必ずできます。

 このまちの人びとが輝くことが、人びとが躍動し、誰もが輝く魅力溢れるSHIZUOKA への一歩となります。

組織を紡いできた感謝と新たな目標に向けたブランディング
 現在の静岡青年会議所は、2003 年4 月に旧静岡市、清水市の合併により新しい静岡市が誕生し、2005 年4 月に政令指定都市へと移行していく時代の変化の中で、旧清水、旧静岡、旧駿河青年会議所が解散し、2005 年6 月15 日に全国で782 番目の新LOM として設立されました。そして、各青年会議所の諸先輩方の想いと伝統を大切にしながら、 2006 年、初代理事長である鈴木秀幸先輩が掲げた「新たな歴史のスタートに 挑もう 夢あるまちづくり 創ろう未来の静岡」のスローガンから始まり、新LOM としての新しい伝統と歴史を積み重ね、2025 年で記念すべき設立20 周年を迎えます。20 周年の設立記念日を翌年に迎えるにあたり、これからも静岡青年会議所が、ひとづくり、まちづくり団体として発展し、多くの人財が輝き、地域社会のリーダーとして活躍をしていくためには、静岡青年会議所のこれまでの運動、活動の歴史を振り返り、このまちと、会員に与えてきた成果を深く知る必要があります。そして、青年会議所が目指す「明るい豊かな社会の実現」のためには、これまで、静岡青年会議所の先輩方が築き上げてきた功績を礎とし、これからのこのまちと、静岡青年会議所の未来を構想し、会員が、新たな目標に向かって挑戦をする、次なる運動を起こす基盤を創出することが求められます。さらに、静岡青年会議所が行っている運動、活動、様々な成長の機会や、人的ネットワーク構築の機会を広く深く発信し、多くの方の賛同をいただくことで、このまちの人びとと、より強固なパートナーシップを築いてまいります。

 静岡青年会議所では、2015 年の10 周年記念式典において、2015 年から2024 年までの長期ビジョンであるFirst Vision「先進100 万人都市 輝く静岡」を運動指針として表明いたしました。このFirst Vision は、静岡青年会議所の向かうべき方向性を示すものであり、私たち会員は、その目標達成に向かって、このまちにより良い変化をもたらすための運動、活動に邁進してまいりました。2023 年度には、First Vision の目標達成への原動力として、長年誘致を目指してきた国際アカデミーをこの静岡のまちで開催し、世界各国、日本全国から集った人びとと、このまちに住む人びとが多くの交流をし、静岡のまちの魅力を伝える機会を得ることができました。これは、このまちの交流人口、関係人口の増加に寄与したと考えます。2024 年度は、First Vision の最終年度となります。それゆえに、これまでの10 年間の成果を検証するとともに、2025 年からの運動指針となる中長期ビジョンを策定してまいります。

 このまちの多くの人びとを巻き込み、静岡青年会議所が起こす運動、活動の効果を最大化していくためには、静岡青年会議所について、多くの方に知っていただき、深い理解と賛同を得ることが重要です。そのためには、静岡青年会議所に所属する人財、活動目的、活動内容を広報し、その魅力を伝えることが必要不可欠です。1 年間の運動方針の目標達成に向けて行われる、青年会議所の事業構築プロセスである各種会議や、委員会、事業内容、所属する会員について、SNSを活用し、広く深く発信することで、青年会議所の三信条である修練、奉仕、友情の魅力をこのまちの人びとや、各関係諸団体に伝える広報をしてまいります。ひいては、静岡青年会議所の運動、活動の協力者を増やし、パートナーシップを深めてまいります。そして、2025 年に迎える新LOM 設立20 周年に向けて、各関係諸団体や卒業された先輩の方々に感謝と敬意をお伝えするために、20 周年の前年にあたる2024 度より、20 周年記念式典に向けた最大限の準備をしてまいります。

このまちを想う人びとを増やす総合的な人口活力の推進
 このまちは、徳川家康公が、終の棲家とした歴史のある場所であり、世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原、日本の三大美港とされる清水港、南アルプスの山々からなるオクシズなどの豊かな自然環境に恵まれた地域です。さらに、お茶やみかん、わさびなど、温暖な気候や歴史、文化を背景とした全国的にも認知度の高い農産物が生産されており、また、日本で唯一駿河湾だけで水揚げされる、桜えびや県下有数の水揚げを誇る、しらすなどの地域特有の水産物もあり、世界に誇れる地域資源をもっています。世界に誇れる地域資源があるからこそ、このまちの地域資源の魅力を最大限に活かし、このまちをブランディングし、発信することで、このまちの交流人口、関係人口拡大を促進してまいります。そして、このまちの交流人口、関係人口が増え、活気に満ちたこのまちに愛着と誇りを感じる、地域の人びとのシビックプライドを高めてまいります。また、全国的に人口減少、少子高齢化が深刻化している中、このまちは、地域の人びとにとって、住みやすいまち、働きやすいまちとなるために、子育て支援に力を入れております。このまちの人口減少に歯止めをかけ、定住人口の増加を図るためには、住みやすいまちとはどのようなまちか、働きやすいまちとはどのようなまちか、ひいては子ども達が住み続けたくなるまちとはどのようなまちかと、様々な角度から見たこのまちの魅力を深く調査をし、このまちに住まう人びとと、このまちに関わる人びとにその調査結果を提言し、実行していくことが必要であると考えます。交流人口増、関係人口増、定住人口増を総合的に推進することで生まれる、まちの活力となる人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにするきっかけとなる運動、活動を展開してまいります。

 約3 年にわたり続いたコロナ禍による人びとの行動制限がなくなり、世界各国、日本全国各地の往来が活発となっています。また、開催方法が制限されていた地域のイベントや行事も平常開催ができるようになり、地域のコミュニティーも活性化しております。社会全体が平常運転に戻った今だからこそ、このまちの人びとを輝かせ、さらに躍動させていくためには、このまちの活気をマイナスから0 に戻すだけでなく、1にも2 にもプラスにしていく活動が求められます。インバウンド需要の急速な回復が見込まれ、コロナ禍の社会で根付いていた、少ない選択肢から行ける場所を選択して行くという思考から、多くの選択肢から行きたい場所を吟味して選択して行くという思考へと、人びとの考え方も変化をしています。そのような中、このまちの交流人口、関係人口を増やしていくために、行政、地域コミュニティーとパートナーシップを組み、世界各国、日本全国の人びとが、このまちに興味関心をもち、訪れたい、関わりたいと感じる機会を創出してまいります。さらに、静岡青年会議所の運動、活動を一番近くでサポートしてくれた家族に対して、活動を支えてくれた感謝の想いを伝え、1 年間の活動報告をする機会を創り、家族からの賛同を得ることで、まちづくり団体として、社会により良い変化をもたらすための基盤を強固にしてまいります。

 このまちが活気に溢れ、魅力溢れるまちであり続けるためには、新たにこのまちに住みたいと考える人たちを増やしていくことも必要ですが、現在、このまちに住む人びとの人口流出を抑制し、このまちに住み続けたいと考える人びとを増やすことがより求められます。定住人口減少の要因としては、出生率の低下もさることながら、都心に進学した学生が、このまちに戻らないということが、大きな要因として考えられます。このまちの高校3 年生の県外進学率は約70%であり、さらに、県外進学後のU ターン率は30%台となっており、年々U ターン率は減少傾向となっております。若者の人口流出が進む中、このまちに住む魅力を感じ、このまちに住み続けたいと想う人を増やしていくためには、このまちに住み続けることへの不安を払拭し、安心して住める環境を整えることが重要であると考えます。そのために、このまちの誇れる点と、改善すべき点の調査研究をし、このまちの若者に、このまちに定住することへの意義について提言します。そして、誇れる点についての理解を深めていただくとともに、改善すべき点について、課題意識をもっていただきます。さらに、その課題に対して、解決するきっかけを創るための運動、活動を静岡青年会議所の会員、地域の人びと、企業、行政が協働することで、このまちに住む魅力の評価を高め、このまちの人びとが、このまちに住み続けたいと想う意欲を高めてまいります。

地域社会に貢献できる人財の拡大と人的ネットワークの構築
 ひとづくり、まちづくり団体である静岡青年会議所では、20 歳から40 歳までの会員が在籍し、若き青年経済人の新たな入会者と、地域社会のリーダーとして成長を遂げられた卒業生の循環を繰り返しながら、長きにわたり、まちのため、まちの人のため、運動、活動に邁進してまいりました。20 歳から40 歳までという限られた時間の中で、静岡青年会議所が、このまちの発展に寄与し、その与えるインパクトを大きくしていくためには、静岡青年会議所のまちへの貢献力を高めていく必要があります。まちへの貢献力を高めるために、このまちの未来を担う、多くの若き積極性のある青年経済人に、静岡青年会議所の魅力を伝え、入会に導いていくことが重要となります。このまちが好きで、まちをより良くしたいと考える会員が多ければ、多いほど、静岡青年会議所の運動、活動を大きくすることができ、ひいては、その運動、活動がまちに好影響を与え、社会により良い変化をもたらすことができる組織へとなってまいります。また、まちへの貢献力をさらに高めていくためには、青年会議所がもつ世界、日本全国、静岡県内、各地青年会議所や、静岡青年会議所の卒業生などの人的ネットワークを活かし、その信頼関係を高め、絆を深めていくことが大切です。人的ネットワークの輪を広げ、そのつながりをかけがえのないものへとしていくことで、ひとづくり、まちづくり団体としての青年会議所のプレゼンスを高めてまいります。

 静岡青年会議所では、経営者の方、個人事業主の方、サラリーマンの方など多種多様な人財が活躍をしております。そして、会員の多くは男性会員でありますが、近年は、女性会員も増加しており、活躍する会員の幅が広がってきております。多様な経験や価値観をもった会員が多く集まることで、その経験や、価値観に基づいた活動が展開でき、組織の相乗効果を生み出すことができます。だからこそ、業種、役職、性別を問わず、ひとづくり、まちづくり団体である、静岡青年会議所に魅力を感じ、このまちが好きで、まちをより良くしたいと考えているこのまちの多くの若き青年経済人たちを入会に導いていく必要があります。そのために、会員が、多様なバックグラウンドをもつこのまちの多くの若き青年経済人とともに、青年会議所で得た成長について学び、意見交換し、交流と親睦を深める機会を創出します。会員拡大は新たな出会いと学びに溢れており、会員拡大をしなければいけないというマインドから、会員拡大をすることが楽しいと感じるマインドへと変えてまいります。さらに、楽しい会員拡大を通して、会員とこのまちの若き青年経済人に、青年会議所で活動をすることへの意義について理解していただき、このまちの多くの若き青年経済人を入会に導いてまいります。そして、多様なバックグラウンドをもつ新しい会員による、新たなアイデアや視点を導入することで、組織の活力と創造性を向上させ、持続可能な組織としての成長を促進してまいります。

 青年会議所は、世界各国に存在し、会員数17 万人以上を誇る世界で最も大きな青年団体です。また、現役会員に加え、世界には約250 万人以上ものOB、OG がおり、世界中で様々なつながりをもつことができる、グローバルな組織となっております。静岡青年会議所では、世界組織である青年会議所だからこそできる国際交流として、2013 年に韓国の仁川青年会議所と姉妹締結を結び、親交を深めてまいりました。また、2023 年には、私たちのまち静岡で世界約80 か国のリーダー候補者が集まる国際アカデミーを開催し、このまちの人びとと会員の国際意識が高まりました。その絶好の機会を活かし、姉妹締結をしている仁川青年会議所との交流を促進します。姉妹JCは、お互いの国の経済、文化など、交流をすることによって会員相互の理解と友情を深めることができ、会員は、近隣諸国に興味関心をもち、国際的視野を養うことができます。さらに、近隣LOM、静岡青年会議所の会員、卒業生との交流を促進し、友情を育むことで、新たな知識と経験を得ることや、異なる視点とアプローチをもつ人たちとの意見交換をすることで、会員の成長とリーダーシップの向上を促してまいります。そして、交流をする中で人を想い遣り、まちのため、まちの人のためと考える利他の心を養ってまいります。

明るい豊かな社会の実現を目指す人財の育成
 青年会議所の使命は、「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」ことです。そのため、青年会議所には地域社会のリーダーとなるための4つの成長の機会の提供があります。 青年会議所で得られる 4 つの成長の機会には、個人の機会、地域の機会、国際の機会、ビジネスの機会があり、この機会をより多く得ることで、魅力的な人財へと成長することができます。 青年会議所の会員は40 歳で卒業することとなっており、青年会議所が提供する4 つの成長の機会を存分に得て、高いレベルのリーダーとして成長していくためには、青年会議所での活動を始めたばかりの新入会員が、早期から青年会議所の組織の仕組みや、リーダーシップの開発と成長の機会の理解を深め、実践していくことが必要です。また、静岡青年会議所では、より良い変化をもたらす力を若者に与えるために、子ども達の人財開発、リーダー開発となる青少年育成事業を長きにわたり行ってまいりました。このまちの人びとが躍動し、これから先もこのまちが、魅力溢れるまちであり続けていくためには、このまちの未来を担う子ども達の人財育成が必要不可欠であります。しかし、世の中は急速に変化をしており、10 年先、20年先の近未来でさえも予測できない時代となっております。そのような、先行き不透明な時代であるからこそ、未来を担う子ども達には、変化に順応できる多様なスキルと資質を育むことが求められます。

 2023 年度に静岡青年会議所では、30 名の新入会員を迎えることができました。新たな会員が増えるということは、青年会議所の運動、活動に活力を与え、大きく躍進していくことにつながります。静岡青年会議所に魅力を感じ、入会された新入会員は、青年会議所で得られる機会と、自身が成長し飛躍できることへの期待感をもっていることと思います。しかし、その一方で、静岡青年会議所ではどんなことをするのか、また自分は何をしたらいいのかということに、大きな不安をもつ新入会員も多くいるのではないでしょうか。現在、新入会員の多くは、初年度に紹介者の委員会に配属をされ、その後の新入会員の育成、指導、サポートは所属する各委員会に委ねられています。各委員会は、青年会議所の様々な経歴と、経験値をもった会員によって構成されていますが、新入会員のコミュニティーは、委員会内に限定されることが多く、委員会で得た知見以上に、青年会議所の組織と仕組みを深く知る機会や、学ぶ機会が少ない現状があります。そこで、全ての新入会員に共通の学びの場を提供するために、新入会員のコミュニティーを形成し、新入会員が青年会議所の活動の理解を深める研修を1 年間通して行ってまいります。そして、新入会員が、研修で得た学びを実践し、活用できる力にしていくために、青年会議所の事業構築プロセスを経験し、新入会員による設営と、アウトプットする機会を創出します。計画から実行までを経験し、仲間たちと協働することで、利他の心をもち、まちのため、まちの人のために行動し、明るい豊かな社会を築くことができる、未来を担うJAYCEE の育成をしてまいります。

 私たちが幼少期を過ごした1990 年代は、携帯電話を所持している人はほとんどおらず、PC がある家庭もごくわずかで、情報技術を活用する環境とは、程遠い時代であったかと考えます。私たちも大人となり、当時から、30 年余り経過をしましたが、情報技術の発達は著しく、さらには、情報技術の発達がもたらしたAI の普及により、そのスピードは益々加速しております。この変化のスピードに取り残されないためにも、このまちの未来を担う子ども達には、技術の進歩が早いからこそ、様々な知見を広げ、新しい技術の変化に対して、継続して順応し続けていくことができる、やり抜く力が必要不可欠となります。このやり抜く力は、いつの時代であっても、時代の変化に順応して、成果を上げてきた先人たちには共通して備わっている資質です。そして、このやり抜く力を育む上で、人格形成期である少年期に、豊かな感性を養うことが求められます。子ども達の豊かな感性を養い、やり抜く力を育むことで、このまちが、魅力溢れるまちであり続けるために必要となる、未来の輝く人財となる土台を形成してまいります。

これから先も続く持続可能な組織基盤の創出
 静岡青年会議所では、定款に則り、会議や総会といった意思決定のプロセスを重ねることで、厳格な組織基盤を築いてまいりました。これからも、静岡青年会議所が、地域によりインパクトを与え、青年会議所の運動、活動を大きくし、まちへの発展に寄与していくためには、持続可能な組織基盤を構築していくことが必要不可欠です。近年、静岡青年会議所の会員の構成は多種多様となっており、さらに、社会の常識や、世の中の価値観も大きく変化しております。そのような中で、静岡青年会議所がこれからも発展し、このまちから求められる団体であり続けるためには、受け継がれてきた組織の厳格さを大切にするとともに、時代背景に即した組織へと変容していくことが求められます。また、静岡青年会議所以外の団体や法人から得た学びや知見を活かし、多角的な視点を取り入れることが必要です。2024 年度は、10 年間の運動指針として掲げてきたFirstVision の最終年度であるからこそ、変えてはならないもの、変えるべきものを検証し、変化が必要であることについては、積極性をもって変化を促すことで、持続可能な組織基盤を構築してまいります。

 まちのため、まちの人のため、静岡青年会議所の会員は、日々の運動、活動に邁進しております。私たちは、1 年間の事業計画を策定し、その目的達成に向けて事業構築をしておりますが、策定した目的を達成し、まちにより良い変化をもたらすためには、議案構築を積極的かつ厳正に行う必要があります。議案構築のプロセスは、事業の質を高める重要なプロセスであり、変えてはならない青年会議所の根幹となるものとなります。仕事、家庭、プライベートと限られた時間の中で、その根幹となる議案構築プロセスの精度を高めるためには、会員が最大限の力を発揮できる、効率的で、生産性の高い会議運営をすることが求められます。そのために、ICT を柔軟に活用し、多様な人財が、議案構築プロセスにおいて、前向きに取り組むことができる環境を整えます。また、会員が静岡青年会議所の会員であることに、誇りをもち、これから先も地域から求められる存在であり続けるために、組織の在り方を洗練させていくことで、持続可能な組織基盤を構築してまいります。

 静岡県は東部、中部、西部地域で多くの青年会議所が運動、活動を展開しており、静岡県内の各地青年会議所で構成される公益社団法人 日本青年会議所 東海地区 静岡ブロック協議会には、ブロック協議会役員と、委員会メンバーに多くの会員が出向しております。静岡県内の各地青年会議所から輩出されたブロック協議会役員は、東部、中部、西部から出向をしている様々な背景をもつ会員を牽引することで、高いレベルのリーダーとしての成長の機会を得ることができます。また、出向をし、協働をする中で行われる他の青年会議所との情報交換は、ブロック協議会役員として出向している会員の新たな知見を広げるとともに、静岡青年会議所の中にいるだけでは気づくことができない自身の組織の誇れる点や改善すべき点に気づくことができます。ブロック協議会役員として出向している会員が、理事会を構成する理事として、出向により得た新たな学びや知見を静岡青年会議所に還元する機会を得ることで、持続可能な組織の発展に寄与してまいります。

このまちにインパクトを与える財務基盤の創出
 静岡青年会議所が起こす、地域へのインパクトを最大限にし、このまちの人たちから信頼され、求められる団体であり続けるためには、公正で厳格なコンプライアンスのチェック体制を維持し、法令順守のもとに、組織の管理、監督をしていくことが必要不可欠です。青年会議所が行う運動、活動の予算は、多くは所属する会員の会費から拠出をされており、その財源は貴重であり、有限です。だからこそ、適切であり、効果的な使い方をすることが求められます。事業で拠出される費用について、透明性をもち、会員が、自分事として考える強い当事者意識をもつことで、静岡青年会議所で行う事業に積極的に取組み、まちのため、まちの人のため、会員の成長のためにと考える人財を増やしてまいります。そして、まちのため、まちの人のため、会員の成長のためにと考える静岡青年会議所の会員が、地域の人びととパートナーシップを組み、近隣LOM と地域の人びととの連携を深めることで、地域から欠かすことのできない組織へとなってまいります。

 静岡青年会議所は、受け継がれてきた厳格な財務基盤により、積極的なまちづくり運動を行ってまいりました。先人の方たちによって積み上げてきていただいた信頼をより高め、まちへの強いインパクトを与えられる組織であるために、まちのため、まちの人のため、会員の成長のために投資をしているという会員の価値観を醸成します。そのために、事業で使う予算が適正で、効果的であるかの管理とコンプライアンスのチェックを徹底し、費用対効果を高めるための組織基盤を築いてまいります。一つひとつの事業の予算の透明性を追求し、見える化をすることで、会員の予算への意識を高め、健全性を向上させてまいります。そして、会員が、公正で厳格な組織として、まちへの強いインパクトを与えられる静岡青年会議所に所属していることに誇りをもち、近隣LOM と地域の人びととの協働をしていくことで、静岡青年会議所の信頼を高めてまいります。

むすびに
 私は京都生まれであり、その後、宮崎、大阪、千葉と各地を転々とした末、両親が静岡市を気に入り、小学生のころに定住をいたしました。大学は神奈川にある大学に進学をし、都心での就職を考えておりましたが、全国各地を転々とした両親から、静岡市がこれまで住んできた中で、一番良いまちだと子どものころよりずっと聞かされていたこと、そして、自分自身も、静岡市で多くの恩師と想う方と出会い、育てていただいたことへの感謝の念を思い出し、このまちへ戻ることを決めました。ただ、まちへの想いは漠然としたものであり、まちのため、まちの人のためにという想いは全くありませんでした。

 静岡青年会議所に入会をし、青少年育成事業にて、事業に参加した子ども達が成長していく姿を目の当たりにし、青年会議所の運動が、このまちの未来を担う子ども達にとって、より良い変化をもたらすことができると実感し、青年会議所の運動に誇りと強い意義を感じました。  このまちで輝く人財が増えれば、まちはもっともっと良くなっていく、静岡青年会議所がこのまちを良くすることができると確信しています。このまちが、多くの人びとにとって、これから先も魅力溢れるまちであり続けて欲しい。子ども達が大人になった時に、このまちに住み続けたいと想うまちであって欲しい。

 静岡青年会議所の会員の一員として、まちのため、まちの人のため、私がもてる限りの全ての力を尽くしたいと考えます。

 まちに訪れたいと想う人びとを増やし、まちに住み続けたいと想う人びとを増やすことで、「人びとが躍動し 誰もが輝く 魅力溢れるまSHIZUOKA」を創造してまいります。

 このまちは魅力に溢れています。地域への愛着と誇りをもち、躍動してまいりましょう。

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